以前,
「アクティブラーニング」の土台となる
「対話」の重要性について
考察してみた。
その中で、
自分の授業を6段階に分け
授業に主体的に
参加させる1つの手法として
「個人思考」と「集団思考」
を意図的に盛り込むことで
「自分の学びの浅さ」
「理解が部分的である」
ということを実感させ
それを
「更なる深い学び」
へのインセンティブとする事が
重要だと考えていた。
そして授業の最後に
「今日の授業が
キチンと理解できているか」
を確認することを「手段」として
個々の状況にあった承認と
足りない部分の
「気づき」のきっかけを与え
今日の授業を
しっかりと振りかえさせる
ここが
結構教師の差になる部分だ
と考えている。
一番まずいのは
「確認テストで結果だけを見ること」
「結果を見て理解度を確認する事」
ここが「目的」になってしまう事だ。
だから
確認テストをどう活かすか?
そこにどんな目的を意識化するか?
これにより、
「自己効力感」を養成につながり
更なる学びへのインセンティブになると
考えていた。
そもそも振り返りのことを
「リフレクション」
と呼ぶが
「リフレクション」は奥が深い
たとえばOECD2030における指針として
急速に変化する世界・社会の中で
若者がどのようにして自らの人生や
世界を歩んでいくのかを示した体系図が
あるのだが
そこでは
ANTICIPATION(予見・予察)
↓
ACTION(行動)
↓
REFLECTION
すなわち「AAR」の
連続した過程を通じて
学習されるべきものとされ、
中でも最後のREFLECTIONは、
学びのプロセスの
コアと位置づけられている。
リフレクションをさらに深耕すると
4つの「意味」が出てくる
1つは「反省」
これは後ろを向かせ
ここまでの歩みを振り返る
いわば「過去」に焦点を合わせている
2つめは「反省」
これは通常ネガティブな意味に
使われることが多いが
まさに
「過去を顧みて、批判的に見る」
「駄目だったことを認める」
ということになる。
プロアスリートのような
ストイックな練習を
するような状況であれば
こういう視点で
リフレクションをすることの
意義も見えるが
「生徒の自己効力感の養成」
という視点で見ると
かえって逆効果になりそうに感じる
3つめは「内省」
これは自分自身が
管理職になってから
退職するまでずっと行ってきた。
「自分の内面を見つめる」と
言うことになる。
静かに自分と向き合い、
自分を探求する
当時そこまで意識して
行っていたわけではないが
自分の無力や弱さから逃げず
受け入れ、次に活かす
という意味では
一定の効果は
あったのかも知れない。
そして
「省察」
おそらくこの言葉が
一番聞き慣れないと思われるが
上記3つの「リフレクション」よりも
これが
一番生徒にとって
しっくりくる気がする。
「省察」とは
「自分自身を顧みて知ること」
「自分自身を顧みて、
その善し悪しを考える事」
となるが、
そこまで行ってしまうと
「反省」に近づきすぎてしまうので
生徒対応においては
「自分自身を省みる」=省
+
「知る」=察
と解釈するのが
一番わかりやすい。
では「省察」を
どう意識的に実践するか?
たとえるなら
「自分自身を鏡で見る」
というイメージだろう。
鏡を見ることは
誰もが日常的に行っているし
鏡を見ると
まず自分の顔の
コンディションを見ることが出来る
その情報を元に
髪型を整えたり化粧をしたりして
「自分の求める姿」に
近づくことが出来る。
だから
多くのスポーツでも
練習に
取り入れられるようになった。
たとえばゴルフや
バッティングなど
様々なスポーツに
ビデオが活用されているが、
まさに「鏡と同様」の
働きをしていることに気づく
ところがここで1つ問題がある
それは
「鏡やビデオをみる
意欲や力には
個人差がある」
「見たことを元に
自分を改善する意欲・力には
どうしても個人差が生まれる」
ということである。
これは、本人だけでは
どうにもならない。
だからここに
「メンターとしての教師の役割」
が重要になる。
「教える」「やらせる」のではなく
「鏡を活用できるよう支援する」
これこそが
「教師がメンターとしての役割」
を発揮することになる。
もう少し深耕すると
「傾聴・承認・質問・反映・提示」
これを意識して徹底する。
特に「質問」と「反映」は
「教師がメンターとしての役割」
を担う上で
最も重要だと思っていた。
授業が終わり
確認テストを一人一人
時間にして一人せいぜい
1,2分あるかどうかだが
この
「最後のターム」で
毎回
「今日までの生活態度を
リフレクションする」
「精神状況をしっかり見て、
それをリフレクションする」
そして何より一番大事な
「今日の授業の学びを
リフレクションする」
ここでは「承認」が一番重要だろう。
それを意識的に取り入れるだけで
その小さな「行動」を共有することは
のちに
生徒の教科や単元に対する
「興味関心」が確実に変化する
ここは教育者だけでなく
その子に関わる大人全てが
その生徒に大きな影響力を与える。
そしてこれが習慣化されると
観点の転換
行動変容
を促す大きな支援活動となり
最初に書いた
「学力差」「成長差」に
大きな影響を与える。
授業においては
「対話」
「承認」
「気づきを与える問い」
この3つがとても重要だが
それをさらに
効果的にするだけでなく
生徒本人の覚醒を促す上で
授業の最後の
「リフレクション」
これを
「どういう観点で、
どういう視点で、
どういう意図で」
行うか?
それが次への学びへの
関心だけでなく
「次も頑張ろう」
「僕はまだまだ
もっともっと出来る」
そう子供達の変革を促す
これが結果として
「家庭学習への意欲」
に繋がり
学習の習慣化の一助となる
繰り返しになるが
「塾では頑張る生徒」で
終わっては駄目だ。
塾が起点となり
「家庭学習の習慣化」
「更なる学びへのインセンティブ」
ここを明確に意識し
正しい「リフレクション」が
どの教師も出来るようになれば
生徒は覚醒し
眠っている能力を
引き出すことが出来る。
リフレクションは
誰でも出来そうだが
一方で
「教師の力量の差」が
最も出る部分なのだ。